【はめあい公差】はめあいの種類や決め方とは?

設計・図面の知識

【はめあい公差】はめあいの種類や決め方とは?

機械設計では軸を穴に挿入することは日常茶飯事です。

この軸と穴が互いにはまり合う関係を「はめあい」と言います。

はめあいは3種類に分けられる

軸を穴に挿入する時、「するっと入る」「全然入らない」「ちょっときつい」など様々な状態が考えられます。

機械工学では、このはめあい度合いを以下の3種類に分けています。

  • すきまばめ:するっと入る
  • しまりばめ:全然入らない
  • 中間ばめ:ちょっときつい

正式な分類基準は後述しますが、イメージとしてはこんな感じです。

加工には公差(ばらつき)がある

はめあいの種類を説明するためには、まず公差の存在を知らなくてはなりません。

仮に直径10mmの円柱を製作してもらうとして、直径10mmちょうどで出来上がることは不可能です。10.2mmや9.8mmなど、多少のズレが必ず発生します。

このズレの許容範囲を公差と言います。

図面だと以下のように表現されます。
この例の場合、直径は9.8~10.2mmの範囲内となります。

はめあいの種類

はめあいの種類である「すきまばめ」「しまりばめ」「中間ばめ」の分類基準を説明します。

すきまばめ

すきまばめ加工がどれだけバラついても必ずすき間が空くようなはめあいのことです。

すきまばめ最大のメリットは着脱が容易であるということです。

その分、他のはめあいと比べるとガタツキが大きいです。

しまりばめ

しまりばめ加工がどれだけバラついても必ず軸の方が太くなるはめあいのことです。

上記の通り、必ず軸の方が太くなるため、普通に挿入することはできません。

圧入などによって挿入します。
挿入後は強い力を加えないと抜くことができません。

中間ばめ

中間ばめ加工のバラツキ次第で軸の方が細かったり、太かったりするはめあいのことです。

中間ばめは緩すぎず、狭すぎない丁度良いはめあいです。

しかし、工場などで手作業による組み立てをする場合、中間ばめは公差次第で手作業による組み立てが困難になります。

設計時は、はめあい公差を指定する

はめあい公差記号の意味

設計時は「中間ばめにする」と指定することはありません。

「軸の公差は〇〇、穴の公差は××にする」と指定することではめあいの度合いを決めます。

通常、長さ寸法などは「10±0.02」などと記述しますが、はめあいの軸と穴は「Φ10h3」「Φ10H3」などと記述します。

この記号の意味をご紹介していきます。

 

軸や穴の寸法は「基準寸法」「公差域クラス」で記述されます。

公差域クラスはアルファベットと数字(等級)で構成されています。

アルファベットの意味は?

はめあい公差を調べると、よく上図のようなグラフを見ると思います。

機械工学では公差域の位置をクラス分けし、アルファベットで表しています。

例えば、アルファベットがjsの場合、±〇〇であることを意味しています。
アルファベットがkの場合は、軸が基準寸法より必ず太くなることを意味しています。

このように公差域が基準寸法に対してどの位置にあるかを表したものがアルファベットなんです。

「具体的に公差の値がいくつか」については後述する等級と合わせて決まります。

あくまでもアルファベットは公差域の位置を意味しています。

等級の意味は?

等級を簡単に説明すると公差域の幅のことです。
等級が大きくなれば公差域の幅も大きくなります。

等級と公差域の幅の関係はJIS規格で以下のように定義されています。(簡略しています)

例えば等級が6(IT6と書く)の場合、軸の基準寸法がΦ3mmであれば公差域の幅は6µmとなります。

記号と公差値は早見表を見るのが簡単

はめあい公差を知りたい場合、以下のような早見表を見るのが最も早いです。

はめあい公差の決め方

はめあい公差を決めるために、まずははめあいの目的を知りましょう。

はめあいの目的が分かれば、おのずとはめあいの度合いが決まります。

工場で手作業による組み立てをするのであれば、再組立しやすい「すきまばめ」がおすすめです。

再組立せず、ガタつかない精度を求めるのであれば「しまりばめ」となります。

軸の公差域クラスh7と穴の公差域クラスF8だと「すきまばめ」になるなど、良好な組み合わせが分かっているため、それに合わせて公差を決めればOKです。

良好な組み合わせは下記サイトへ
 MISUMI:技術情報

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