【非金属の材質】種類と分類、それぞれの特徴を紹介

材料・処理の知識

【非金属の材質】種類と分類、それぞれの特徴を紹介

チューブや成形品に使用されている非金属材質ですが、その種類は非常に膨大です。

各メーカごとに成分を若干変えて独自性を出しており、メーカ独自の材質名を掲げることもあります。

しかし、元となる材質はおよそ決まっているため、今回は代表的な材質をご紹介していきます。

合成樹脂、プラスチック、ゴム、エラストマーの違い

合成樹脂とプラスチックはほぼ同じ

樹脂は天然樹脂と合成樹脂に分類されます。

天然樹脂は動植物から抽出したコラーゲンを原料としており、合成樹脂は石油を原料としています。

工業用では基本的に合成樹脂が使用されるので、多くのサイトでは「合成樹脂」を「樹脂」と略していると思います。

では、合成樹脂とプラスチックは何が違うのでしょうか?
結論を言うと「ほぼ同じ」です。

後述する「熱硬化性樹脂」と「熱可塑性樹脂」は、
まとめて合成樹脂と呼びます。

一方、プラスチックの意味は可塑性がある物質です。
そのため、「熱可塑性樹脂=プラスチック」と考えて問題ありません。

しかし、合成樹脂とプラスチックを同義と捉える場合もあるなど、非常に曖昧です。

そのため、以下の図を意識しつつ「合成樹脂≒プラスチック」と覚えておけば問題ないと思います。

ゴムとエラストマーは弾力がある

多くの人が、合成樹脂やプラスチックと聞くと、固いイメージを想像できるかと思います。

逆にゴムといえば柔らかくて弾力のあるイメージを想像するのではないでしょうか。

実際そのイメージは正しいです。

それに追加して、エラストマーもゴム同様に弾力のある物質だと覚えてください。

ゴムとエラストマーの違いは熱で溶けるかどうか

ゴムとエラストマーの違いを調べると、頭が混乱すると思います。

その理由は、
ゴムは熱硬化性エラストマー
エラストマーは熱可塑性エラストマー
を指しているからです。

そう、何故か熱可塑性エラストマーだけをエラストマーと略しているんです…。

熱硬化性と熱可塑性の違いは次で説明しますが、
ざっくりいうと「加熱で固まるか、柔らかくなるか」の違いです。

熱硬化性と熱可塑性とは?

非金属材質は大きく分類すると以下の4種類に分けることができます。

  • 熱硬化性樹脂/プラスチック
  • 熱可塑性樹脂/プラスチック(一般的なプラスチック)
  • 熱硬化性エラストマー(一般的なゴム)
  • 熱可塑性エラストマー(エラストマーと略される)

分類の仕方は明確に決まっておらず、サイトによって様々なので分かりにくいですね…。

それぞれの違いをまとめると以下のようになります。

加熱時 再成形 弾力
熱硬化性樹脂
熱硬化性プラスチック
固まる 不可
(硬化性のため)
ない
熱可塑性樹脂
熱可塑性プラスチック
柔らかくなる 可能 ない
熱硬化性エラストマー 固まる 不可
(硬化性のため)
ある
熱可塑性エラストマー 柔らかくなる 可能 ある

代表的な非金属材質の種類と特徴

ナイロン(ポリアミド):軽くて丈夫なバランスの良い性能

ナイロンはデュポン社が開発したポリアミド(PA)の製品名です。

低比重なのに耐衝撃性・耐摩耗性・耐薬品性が優れているので非常に多くの場面で使用されます。

一方で、吸水性・吸湿性が高く、水分や湿気をよく吸収してしまうので寸法が安定しないというデメリットもあります。

また、ナイロンは熱可塑性樹脂であるため、熱に弱いのもデメリットです。

ポリエチレン:安価で大量生産におすすめ

ポリエチレン(PE)の最大の特徴は非常に安価であることです。

そのため、大量生産される製品に向いています。

耐薬品性や耐衝撃性にも優れており、吸水性も低いため寸法が安定しやすいです。

一方、熱可塑性樹脂であるため、熱に弱いのがデメリットです。

また、接着性が悪いので、塗装や印刷には向いていません。

ポリプロピレン:軽いのに耐熱性と機械的強度が優秀

ポリプロピレン(PP)は耐熱性や機械的強度が高いことで有名です。

引張強度・衝撃強度・圧縮強度・耐摩耗性が優れています。

熱可塑性樹脂でありながら耐熱性も高いため、食品用タッパーなどにも使用されています。

一方、接着性が悪いので、塗装や印刷に向いていないというデメリットがあります。

また、耐候性も悪く、日光に当たり続けると白化してしまいます。

ポリ塩化ビニル:加工しやすく耐薬品性も非常に高い

ポリ塩化ビニル(PVC)は加工しやすい材質として有名です。

ポリ塩化ビニルは成形加工だけでなく、切削加工や溶接、曲げ加工などにも対応している加工性が高い材質です。

耐水性や耐薬品性も非常に高く、ほとんどの酸・アルカリに対応しています。

接着性もあるため、塗装や印刷にも向いています。

しかし、低温や高温に非常に弱く、強度低下や変形の要因となってしまいます。

フッ素樹脂(テフロン):電気、熱、薬品に非常に強い

フッ素樹脂とはフッ素原子を含む非金属材料の総称のことです。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が最も有名です。

テフロンはデュポン社が商標登録した名称です。

テフロンの特徴は非常に優れた電気絶縁材料であることです。
15,000~20,000Vの高電圧下でも高い絶縁抵抗を示します。

耐熱性にも優れており、-100~+260℃の温度下に長時間晒されても耐えることができます。

耐薬品性や耐水性も高く、ほとんどの薬品に侵されることはありません。

一方で、熱可塑性樹脂でありながら耐熱性が非常に高いため、射出成形などの溶融成形ができないというデメリットがあります。

ポリウレタン樹脂(タイゴン):弾力性があり衝撃に強い

ポリウレタン樹脂(PU)は柔らかく弾力性が高いことが特徴です。

そのため、衝撃にも非常に強いので保護カバーなどに使用されます。

一方で耐熱性や耐水性が弱く、高温多湿環境だと劣化しやすいというデメリットがあります。

ABS樹脂:加工しやすく機械的強度も高い

ABS樹脂は非常に加工性が高く、各種成形だけでなく、切削加工やメッキ、接着、溶接などもこなせる万能材質です。

機械的強度も優れており、耐衝撃や曲げ疲労や引っ張りなどに強いという特徴を持っています。

一方で、ABS樹脂は可燃性であるため、高温化では燃えてしまう可能性があります。

アクリル樹脂:透明性があり、耐久性も非常に高い

アクリル樹脂(PMMA)は透明性と耐衝撃性が特徴の材質です。

他の材料と比べると透明性が非常に高く、ガラスよりも光を通すと言われています。

そのため、光学系センサなどとも相性が良いです。

耐候性や耐衝撃性が非常に高いので、長期使用が想定される標識や照明器具などに使用されています。

一方で、表面が傷つきやすく熱にも弱いというデメリットがあります。

ポリフッ化ビニリデン:燃えにくく、驚異的な機械的強度を持つ

ポリフッ化ビニリデン(PVDF)はトップクラスの機械的強度を持ちます。

また、難燃性が高く、燃えにくいというメリットがあります。

しかし、高い性能を誇持つ分、高価であるというデメリットがあります。

シリコン:弾力性・耐熱性・絶縁性・低毒性を併せ持つ安全性能

シリコンは耐熱性に優れており、200℃の熱に10,000時間以上耐えることができます。

低温環境下(-60~-70℃)でも弾力性を保つことができます。

絶縁性や低毒性を持つため、様々な製品に使用することができます。

一方で、粘着性が弱く、ほとんどの素材にくっつかない特性を持ちます。

また、引っ張りや引き裂き、摩耗に対して非常に弱いというデメリットもあります。

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