公務員志望の吃音者が12月にIT企業で内定をもらえた話

人前での発表や友達との会話など日常生活でも困る時はあるのですが、特に、就職活動でこの吃音が大きなハンデとなってしまいます。

今回は、そんな吃音症を持つ私の就活の体験談を書きたいと思います。

私は、もともと公務員を目指していたのですが、面接でほとんど全て不合格となってしまい、11月終わりから民間企業への就職活動へ切り替えました。その結果、12月の終わりに自分の中で1番働きたいと思ったIT企業に内定をもらうことができました。

なぜ公務員を志望していたのか

私が公務員を志望していたのは、筆記試験を頑張ればどこかに内定をもらえると考えていたからです。それと、実際に市公務員になったあと、多少吃音があってもやめさせることはなく、安定している仕事だと思ったからです。

そんな感じで大学3年生から公務員講座を受験し1年間みっちり勉強していました。

公務員試験の結果

さて、4年生になりいよいよ公務員試験が始まりました。

市役所が第1志望であったのですが、国家一般職・専門職なども併願し、筆記試験を受けました。

しっかり勉強したこともあり、筆記試験は無事に全て通りました。

そして、ついに夏頃から国家公務員や市役所A日程の面接が始まり、練習した上で臨みました。

幸いなことに圧迫面接などはなく、吃りながらもなんとか面接をこなし、どこかには合格するだろうと結果を待っていました。

しかし、結果はほとんどが不合格でした。

市役所C日程(10月ごろ)の試験が始まる

第1志望に合格できなかったことはショックでしたが、まだ市役所のC日程試験などは残っていたのでその時点では焦りはあまりなかったです。

C日程の試験は10月にあったので、そのまま勉強は続けて筆記試験を受け、やはり筆記試験は合格できました。そして面接を受け、やはり不合格になってしまいました。

吃音だけが原因ではないと思うのですが、うまく話せない」という面接では1番必要となる部分で、そのハンデを上回るほどのものを面接でアピールすることができませんでした。

11月中旬になると、公務員試験もほとんど残っておらず、倍率もかなり高いところばかりだったので、就職浪人をして、もう1年公務員を目指すということが頭によぎっていました。

実際、公務員は就職浪人をする人も多いと聞いていたので、それもありだとは考えましたが、もう1年公務員試験を受けても受かる保証はどこにもなく、また、すべて面接で落ちていたので来年もどこにも内定をもらえないのではないかと考えていました。

そこで、一度民間企業を探してみることにしました。今まで民間の方は全く見ておらず、探し始める時期も遅かったので、もしいいところがあれば就活を頑張ろうと考えていました。

11下旬からの民間企業の就職活動

民間企業に就職しようと決めたあと、とりあえず就職エージェントに登録をしました。
そして、民間企業を探すに当たってまず業界を決めなければならなかったのですが、これはすぐに決まりました。

働いてみたいと思ったのはIT業界です。

新聞でIT系の最新技術をみるのが好きだったり、エンジニアになれば仕事でのコミュニケーションもそこまで求められないと思ったからです(調べていくうちにIT業界もコミュニケーションはかなり求められるとわかったのですが)。

そんな考えもあり、私はIT業界1本に絞っていました。

IT企業の求人がないかもしれない

勤務地は地方を希望していたこともあり、就職エージェントの方には「この時期に求人を出している地方のIT企業はあまりない」と言われ、ITとは全く関係のない業界を紹介されたりもしました。

しかし、どうしてもIT企業で働きたい(ITのことを調べていく中で、この頃にはIT業界で働きたいという気持ちが強くなっていました)と思っていたので、半ば諦め半分でマイナビで求人を探してみると、いくつか求人を出している企業を見つけることができました。

そこからは自分で企業を探したほうがいいと思ったので、すぐに就職エージェントを退会し、実際にIT企業に何社かエントリーをしてみました。

本格的に選考が始まる

就職エージェントを退会し、マイナビに切り替えた時にはもう12月に入っていました。
周りはほとんど就職活動を終えていたので多少の焦りもあり、年内には内定をもらいたいと考えていました。

全部で7社ほどエントリーして、どの会社も説明会→筆記試験→面接という流れで、うまくいけば年内には内定を出していただけるということでした。

アルバイトにも週5ぐらいでシフトに入っていたので、この1ヶ月間はかなり大変でした。

結局、面接まで辿り着けたのは3社で、どの会社も条件は良かったので、どこかに内定をもらえたら入社しようと思っていました。

面接への不安

公務員試験でほとんど不合格だったこともあり、面接は不安でした。そこで、履歴書には先に吃音のことを書いていました。吃音を受け入れてくれない会社ならば、まず書類選考の時点で落とされるだろうと思ったからです。

面接本番

そして、1社目の面接の日を不安を抱えながら迎えました。

本社で面接があり、面接会場で10分ほど待ち、面接官の方が入ってきてました。

緊張感が一気に高まり、うまく話せるかなと不安になりました。しかし、すぐにその不安は飛んでいきました。

面接を始める前に最初に言われたことは、「吃音があることを理解した上で、あなたありのままの姿を知りたいので、ざっくばらんに話をしましょう」です。

面接時間は30分程度でしたが、志望動機などはほとんど聞かれず、今までに頑張ったことなどを中心に質問をされました。

私は決まったことなどを言う時に特にひどく吃ったりしていたので、自分の経験をその場で考えながら話すときはさほど吃ることはありませんでした。それに加えて面接官の方が堅苦しくなく、話しやすい雰囲気を作ってくれたので、この面接ではほとんど吃らず話すことができました。

正直なところ、民間企業を志望しなかったのは、採用が面接だけで判断されるので吃音者の自分には厳しいだろうと思っていたからです。反対に、筆記試験さえ頑張れば公務員試験には合格できるという考えがありました(今の公務員試験は面接もとても重要視されていると思います)。

面接でも話がかなり盛り上がり、今まで受けた面接で一番楽しかったです。ここなら入社後も吃音の自分を受け入れてくれそうだし、給料や福利厚生も1番良かったのでここに入社をしたいと強く思いました。

1社目に内定をもらう

その週は面接が毎日のように入っていたので、1社目の面接を受けた次の日に別の会社、その次の日にまた別の会社で面接を受けました。

どの企業も吃音がある私自身と真摯に向き合っていただき、また今までの頑張りを評価されたこともあり、かなり良い感触で面接を終えることができました。

そして、3社目の面接を受けた日から2日経ちもうすぐクリスマスを迎えるという日に、1社目に面接を受けた企業から無事内定をいただくことができました。

その企業に内定を貰えばすぐに就職活動を終了しようと考えていたため、ここで私の長かった就職活動は終了しました。

吃音があっても諦めるな

公務員試験の勉強を始めてから1年半という長い時間を就職活動に費やしてしまいましたが、どこかで諦めなくて良かったと思っています。
諦めて就職浪人することを考えていましたが、最後まで諦めなかったので、私は内定をもらうことができました。

また、12月でもまだまだ求人を出している企業はたくさんあるので(流石に大手は残っていなですが)、この時期に内定がなくても希望はあります。

私は、今はプログラミングの勉強が楽しいのでIT企業で働くことを少し楽しみにしています。

今、就職活動という巨大な壁にぶつかっている吃音者の方は、自分で自分の可能性を狭めず、いろいろな選択肢を検討しながら就職活動をするべきであると思います。

もちろん、就活中は辛いこともたくさんありますが、これから就活を始める人、就活中の人はなんとかそこを踏ん張って頑張って内定を勝ち取って欲しいです。

 

以上、私のおおまかな就活体験記でした。ここまで読んでくださってありがとうございます。
今後は、プログラミングの勉強の過程などを中心にいろいろなことを発信しようと思ってます。

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